バット男/クリオネプロデュース

舞城王太郎の原作の舞台化。ある会社員の男は、上司にいじめられてる同僚の姿を見て、バット男を思い出す。バット男とはいつもバットを持っていながらバットを使わないために、周りから殴られっぱなしで、しまいには殺されてしまった男のこと。舞台は、会社員の現在と高校生の頃の回想が入り交じりながら展開する。
暴力は弱い方に向かう。バットを持っていながら、バットを使わないと殺される。やっぱり今の世の中では暴力が必要なのだろうか。原作に忠実でありながらオリジナルの視点があり、舞台にした必然性を感じた。
役者もとても良かった。水橋研二は映画で観るより格好良い。2時間出ずっぱりでも集中力溢れる演技に、心から拍手。お笑い芸人のカリカ家城の間と動きも職人技を感じた。