オリバー・ツイスト/ロマン・ポランスキー

オリバー・ツイスト プレミアム・エディション [DVD]この前、試写会で観てきちゃった。夢中になって観たんだけど、嫌なもの観たなぁって感じのシーンが結構あった。
残酷さと居たたまれなさみたいのばっかりが印象に残ってる。現実世界にもわりと居たたまれないシーンって遭遇してしまったりするけど、そういう時に感じるような、嫌なものを見てしまった感が満載な気がしました。とは言っても、日常生活で見かける居たたまれなさなんて、家族に冷たくされてる痴呆老人とか、キャバ嬢の言葉を真剣に信じてハマってる純粋な若者とか、その程度だと思うのだけど、この映画だと、それどころの騒ぎじゃない。映画じゃなかったら、居たたまれなさに耐えきれなくて、性格変わりそうみたいな。
あと、残酷なシーンもわりと日常的っていうか、リアルに感じられて、一瞬の油断からの事故シーンとか怖かった。同じポランスキーの「戦場のピアニスト」でも、ナチスの人が車いすの老人に、「立て」とか言って、立てなかったから窓から落とすシーンとかあったけど、老人はマジで落とされるってことは、自分の体が浮く瞬間まで、いまいち信じられなかったんじゃないかなって思ってた。ただただ、唖然としてる感じ。
この映画は、「戦場のピアニスト」みたいに不条理な感じじゃなくて、もっと自分の責任って感じで、条理に合ってると言うか、まあバチ的なものに見えたりもしなくはないんだけど、そういうのは関係なく、事故的なものに遭う時の、「ぎゃー」って言うよりは、「え、嘘でしょ?」みたいな、最後の視点とか呆気なさみたいのが、凄くリアルで怖かった。漫画だったら、「?!」だけ書かれそうな感じ。
よく考えてもやっぱり嫌なものを観たなという感じがするんだけど、でも映画だから良いかなと思います。