低開発の記憶―メモリアス―/トマス・グティエレス・アレア

コマンダンテ」も観たかったのだけど、とりあえず今日はレイトショーということでこちらを鑑賞しました。
昔の貴重なフィルムがデジタル化されて上映できることになったらしい作品。
キューバ革命後、資産家なのにアメリカに亡命しないで残った男が主人公。
この人が、革命というか社会主義というか、周りの全てを低開発って見下してる感じの人で、私も現代っ子なので、社会主義って家族とかそういう単位じゃないと成立しないようにしか思えないし、この主人公の上から目線の傍観者的な視点にも妙に納得する部分がありましたが、この男はほんと嫌い。
この男が口説く低開発と呼ばれてしまう女優さんも確かにイタくて、私が全然理解できないタイプの女なのですが、近くにいたらイライラはしそうだけど、嫌いにはなれないタイプの女の子だと思った。
裁判で、低開発と呼ばれる女優さんに、この資本主義の男が勝つけれど、それでもこの男はいまいちな感情が入ってない感じ。そこがまたむかついた。でも、資本主義社会に消極的に賛成の方にこういう人って意外と多い気がする。何かキューバ革命とかあんまり詳しくは知らないから、設定はリアルじゃなかったけど、役のキャラクターが面白かったから、楽しく観られた映画だった。ゴダールの映画を観てるような感覚。
ところで、キューバの歴史を中学くらいで簡単には習った覚えがあるのですが、キューバ危機って初めて知った時はなんかかなり衝撃的だった記憶がある。地図を使って説明されながらぐるぐると描かれる線に、その時代を生きているような気になってドキドキしてました。多感な時期だったので。
そういえば、キューバ危機の「13デイズ」って映画も結構面白かった気がする。キューバ繋がりで「グアンタナモ」を見逃してたことを思い出したので、DVDで観ようと思います。