ユリイカ/青山真治

ユリイカ(EUREKA) [DVD]最近映画もビデオも観てないので、昔の日記から写して書いてます。この映画は、三年前くらい?劇場で観ました。三時間半で休憩なしで2500円でほとんどモノクロでした。
バスジャックに遭い、助かったものの心にトラウマを負ったバスの運転手と兄妹が一緒に生活して、バスで旅する癒しと再生のロードムービー。って、チラシみたいな書き方。
3時間半、いろいろ起きるんだけど、やっぱり長いには長い。その分印象には残った。兄妹の親戚だったか、軽薄なデレカシーない若い男が途中からこの疑似家族に入るのだけど、人の痛みに鈍感なこの男のキャラは嫌いだけど自分が一番共感してしまったキャラだった。私も、結局他人の痛みの感覚なんて、想像巡らせても分かんないじゃんって感じで、自分にとって都合の良い解釈して諦めてしまう。そんなキャラを嫌いなのは、それじゃいけないと思う自分がいるからなのだけど。
兄妹は、宮崎あおい宮崎将の本当の兄妹を使ってて、二人とも無口な役(トラウマで喋れなくなったみたいな感じ)で台詞はないのだけど、その分難しいんだろうけど、存在感あって良かった。友達も言ってたけど、この映画で宮崎あおいは実力を見せつけて、子役でもアイドルでもない演技派の役者として、その後の作品に恵まれることになったのだと思う。役所広司も良かった。素敵な包容力で「ニンゲン合格」を思い出した。咳が気味悪かった。
「生きろとは言わん。死なんでくれ。」って、最初映画のチラシで見た時は、「それって、どうすれば良いってこと?」って感じでピンと来なかったけど、映画観たら、名台詞なんだなぁと感じました。