深紅/野沢尚

深紅 (講談社文庫)家族を惨殺されて生き残った少女が、その犯人の娘が同じ年だと知り、会いに行く話。
設定は超悪魔なのに、すごく温かみのある話だった。喪失感とか罪悪感とかがリアルで、犯人の娘に会った時の少女のジレンマが切なかった。そして、私的にかなり意外な展開で、ミステリー的な意外さとは違うのだけど、良い物語を読んだなぁと思った。何だか野沢尚って相当マジメな人だったんだろうなと感じた作品だった。普通に人にお薦めしたくなる本だった。