海を飛ぶ夢/アレハンドロ・アメナーバル

海を飛ぶ夢 [DVD]若い時に海に飛び込みをして、頭を打って半身不随になってしまった男性が、家族や友人など、いろんな人に愛され支えられながらも、そんな人生の中で死ぬ権利=尊厳死を主張する話でした。
何だか尊厳死に対するリトマス試験紙みたいな映画だなぁと思いました。観終わって「どーなのよ?尊厳死って。」って、議論が出来るような作りになってる気がしましたよ。私は、尊厳死はどちらかと言えば肯定派だけれども、肯定派の多い社会は怖いとも思う。勝手です。ずいぶん前だけど、誰か忘れたけど(忘れたというかうろ覚えだけど)、政治家が重度の障害者施設で、何か尊厳死のこと言って問題になってたニュースを聞いた気がする。でも、突き詰めると、尊厳死の肯定って自殺の肯定になると思うんだけど、尊厳死は健康な人の自殺より、周りに実際問題を軽くするというメリットがあるから、そっちが優先されることが美意識になるのは怖いなぁとか思う。自分が重度障害者になった場合、「尊厳死をしたいって思わないなんて、図々しい。」とか思われたら、死にたくなると思う。難しい問題なので、私にはまとめられないです。今月のダ・ヴィンチに、宮台真司のこの映画の評論が載ってたので、それを読むと良いと思います。