みんな元気。/舞城王太郎

みんな元気。空飛ぶ女の子の家族の話。舞城王太郎の小説って、相変わらず内容は突飛だけど、その設定が読んでるうちに普通に感じてきて、そのうち空飛ぶ話でもうんうんと共感できる。「阿修羅ガール」に続いて、インパクトのある台詞が多々。図書館に返す前にメモっておこっと。
自分の彼氏の元カノである秋本則子の話を、彼氏の友達から聞き出すところ。
「秋本則子は下北系の女の子だ。やはり。私の敵に回りやすいのだ。下北系は。(中略)秋本則子もかわいかったらしい。その上さばさばして友達多くて、男女分け隔てなく親切で、飲み会にもたくさん呼ばれて、する話も面白ったらしい。やべー。出たよ。(中略)なんでもいいけど死ね!もうやばいやばい。そんなの無敵じゃん。」
この過去の気になり方といい、投げやりになるところといい、完全に女の子の心理。舞城王太郎って覆面作家だけど、本当は女だったりしてなんて思った。表題作が一番面白いけど、他のも面白かった。でも、舞城王太郎の口調ってうつる。口悪くなりそうだ。